【ブランディングの軌跡】プレゼンで泣きそうになった

2024.08.04
  • Press Release

テクノブレイブ株式会社の事業部として活動を続けていたE-agent。法人格として新しいスタートを切るにあたり、オールイン株式会社様にブランディングをお任せしました。「エンジニアライフに、伴奏する。」というコンセプトがどういった経緯で生まれたのか、なぜキービジュアルでロボットがギターを弾いているのか。オールインの代表取締役・前田様をお招きし、E-agentの窓口を担当した取締役社長の大橋、そしてバックヤードを統括する中井と共に、ブランディングの軌跡を辿ります。

創業期から事業にストレッチをかける

大橋:最初オールインさんにコンタクトを取ったとき、自分たちのことをここまで深く掘り下げるとは想定していませんでした。

前田:ブランディングではなく、サービスページのようなものを作りたいというご要望でしたね。

中井:そのあたりは内部でも固まりきっておらず、分社化に伴う第一歩として何かしらのサイトを作りたいと考えていました。開発中のマッチングプラットフォームと連携させることは決まっていましたが、ブランディングをしようという発想はなかったですね。

大橋:オフィスにいきなり電話が掛かってきたときは驚かれたのではないですか? 得体の知れない奴から連絡来たぞって。

前田:そんなことないです(笑)。私たちの実績にご興味を持っていただいたとのことで、とても光栄でした。

大橋:株式会社ボールドさんのコーポレートサイトをたまたま見かけたとき、「イカした感じで作っているな」と思いました。サイトを辿っていくと、ブランディングと制作を担当されたのがオールインさんだということが分かって。オールインさんのサイトを見ているうちに、ここにお願いしたいなと直感的に思いました。最初にご相談したときからブランディングの話は出ていましたね。

前田:当初のご要望通り、サービスページのようなものを作ることもできましたが、話を伺っていく中で、リリースした1年後にはリニューアルの必要性が生じると思いました。ブランドコンセプトやMVVを固めないことには、差別化や集客などのあらゆる面で課題が出てくるなと。であれば、最初からストレッチをかけてブランドを構築した方が中長期的なメリットになると考えました。

中井:方向性は確かにふわっとしていました。いち事業部から法人格となり、他社と横並びになったときにどう見られるのかという課題は棚上げされていたように思います。

大橋:ただ、果たして私たちの想いを汲み取ってもらえるのだろうかという不安はありました。どうしても漠然とした内容になってしまうので、誰かに伝えても正確に受け取ってもらえないことがほとんどなんです。だから最初のプレゼンを受けたとき、E-agentという会社をよくぞここまで言語化していただけたなと感動しました。

(全102ページで構成された提案資料)

中井:私、泣きそうになりましたからね。

前田:プレゼンの日もそうおっしゃっていただきました。ブランドコンセプトをご説明した箇所ですか?

中井:どこかのポイントにグッと来たというよりも、全体ですね。資料を読み終わった後にウルウルしました。

前田:3C分析を盛り込んだ提案資料はどうしてボリューミーになるので、飽きずに読んでいただけることを心がけています。全体を通してうねりのようなものが生まれたらいいなと。お二人の心を動かせたのは嬉しい限りです。

エンジニアさんの笑い話が、コンセプトのヒントに

大橋:プロジェクトが正式にスタートした後はE-agentのメンバー全員にインタビューしていただき、私自身も思いの丈を存分に伝えました。全ての情報を踏まえた上で、ブランドコンセプトやMVVにワードを落とし込んでいくのは難しかったのではないですか?

前田:大橋さんはギタリストとして活動されたご経歴があって、E-agentのテーマソングも自らで作曲されています。アート的なニュアンスを汲み取りながらブランドを構築していくのは、私たちとしても初めての経験でした。会社のロゴを作ったときも、大橋さんがイメージをギターで弾き、デザイナーさんが描き起こされたんですよね?

大橋:そうですね。音で表現した方がビジュアルのイメージを伝えやすくて。

前田:音ありきでロゴを作成したという話は聞いたことがありません。最初にいただいた資料には、「エンジニアのはたらくを変革する」というワードが記載されていましたが、ロゴのエピソードをはじめ、もっとE-agentさんらしい表現があると思いました。

中井:マッチングプラットフォームを自社で開発していることもあって、お渡しした資料はテクノロジー寄りになっていましたね。個人的には、エンジニアさんにとことん寄り添うことが会社としての強みだと感じていました。

前田:中井さんがおっしゃるように、E-agentさんの特徴は人情だと思います。ヒアリングを通して、エンジニアさんに対する圧倒的なリスペクトを感じました。

(提案資料に記載されたSTORYと、そこから導き出されたブランドコンセプト)

大橋:技術を日々磨いて社会に貢献しているのは、シンプルにすごいことですよね。プログラミングができない私たちにできることは、エンジニアさんそれぞれが望むことを叶える以外にないと思っていて。

前田:大橋さんのインタビューで出てきた「調和」という言葉はキーになると感じました。当初はブランドコンセプトにも調和というワードを入れようと考えていたんです。

中井:どこかで方向転換されたんですか?

前田:E-agentさんとお付き合いしているフリーランスのエンジニアさんにインタビューしたときですね。大橋さんとのエピソードも出てきたのですが、とても楽しそうに話されていて、私も笑いながら聞いていました。思えば、初回のキックオフの雰囲気も賑やかだったんですよね。顔合わせの場とは思えないくらい、皆さんのノリが良くて。調和ではなく、もっと陽気な感じを出した方がE-agentさんらしいと思い、伴奏というワードを選びました。

大橋:プレゼンの際には、キービジュアルも多数ご提案していただきました。結果として仕上がったビジュアルは、ロックしちゃおうぜというテンションがありつつも、ロボットにどこかとぼけたところがあって、遊び心がありますよね。

中井:スマートさと可愛さが共存していて、親しみやすい印象を受けました。ロボットのサイズがコンパクトなので、一生懸命さも感じられます。

(一度はスマートなロボットで作成を試みたものの、親しみやすさはあまり感じられず)
(ロボットを子どもっぽいサイズ感に抑え、表情も優しげに)

前田:そうですね。エンジニアさんのために汗をかく様を表現しました。

中井:プレゼンの際に定義していただいたアーキタイプにも沿っていますね。

前田:E-agentさんのアーキタイプは、「エブリーパーソン+ジェスター」と定義しました。誰とでも調和できる大衆性と、道化師のようなユーモアが交ざっているイメージですね。

大橋:カラーはご提案していただいた赤がしっくりと来ました。もともと決まっていたロゴが青なので、サイトのカラーも青になるかなと思っていましたが、第一印象で赤がいいなと。

前田:血が通っている感じがしますよね。ロボットを全面的に出しつつ、赤を用いることによってサイト全体に人間味を与えています。

木綿豆腐ではなく、絹ごし豆腐

大橋:完成したサイトを見た所感としては、ディティールが考え抜かれているなと改めて思いました。音符の細かさを随所に感じます。

前田:音符ですか?

大橋:「音数が多い」と表現してもいいかもしれません。私が作る音楽はロック色が強いのですが、ロックミュージシャンの中にはクラシックを原典としている人たちも多く、私自身もクラシックに関心があります。ヴァイオリンで奏でられている旋律をギターでコピーしたこともあるのですが、一聴して滑らかに聞こえる音楽も、実際に演奏してみると音がぎっしりと詰まっているんです。

前田:聴いている分には音が詰まっていることに気付かないわけですね。

大橋:ニコロ・パガニーニというファンキーなヴァイオリニストがいるんですけど、彼もそうです。流れるように聴こえる旋律をいざギターで弾こうとすると、正確無比な高速ピッキングが求められる。でも、聴いた印象は滑らかなんですね。豆腐で言うと、絹ごし。木綿ではない。

中井:豆腐ですか(笑)。

大橋:分かりやすくない?

前田:滑らかさは伝わってきます(笑)。シンプルに見えるものほど実は作り込まれているという認識で合ってますかね?

大橋:そうですね。これはビジネスにも当てはまると思っていて、オールインさんのブランドコンセプトであるSTAY LOW KEYは「控え目であれ」という意味じゃないですか。裏側で努力するからこそ、表立って主張しないというスタンスを貫けるのだと思います。

前田:確かにそうかもしれません。新しい解釈だと思いました。

大橋:業種は違うものの、似た感覚を持っていると思いました。だからプロジェクトがすこぶる順調に進んでいるんでしょうね。それこそ調和です。不協和音を全く感じませんでした。

中井:ブランディングがこんなにもスムーズに進んでいいのだろうかと思うくらいでした。皆さんのレスポンスも早くて、確認事項に対してもすぐに的確なアンサーが返ってきます。何のストレスもなくここまで来れました。できたばかりの会社がいきなりある一定のところまで飛躍できて、ここから大きく羽ばたけそうな気がしています。

大橋:これまでの人生を振り返ってみると、私は数多くのご縁に恵まれてきました。会社を経営する立場となった今、社会に恩返しがしたいと本気で思っています。もっと言うと、日本を盛り上げる一助になりたい。人生を賭ける覚悟を持って、どこまでも突っ走りたいですね。

前田:私たちとしてもE-agentさんの未来に長く貢献できれば幸いです。今後アップデートが必要となる部分も出てくると思いますし、直近でもこのサイトに掲載するNews記事やパンフレットなどの制作が控えているので、引き続きよろしくお願いいたします。

大橋:こちらこそよろしくお願いいたします。ひとまずはブランディングを手掛けていただけたことに感謝しかありません。ありがとうございました。

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