【ヘルスケア最前線vol.2 – 対談編】Panasonic×E-agent:互いの思いが繋いだ縁

2025.07.31
  • Healthcare

前回の記事では、脳の健康状態を示す指標「BHQ」およびE-agentが福利厚生として導入している「推定BHQ計測ツール」の概要について触れました。今回はそれらの内容をさらに深掘りする、題して「対談編」。推定BHQ計測ツールの生みの親であるパナソニック ホールディングス株式会社・プロダクト解析センターの難波室長を迎え、弊社代表・大橋を交えた特別なトークセッションをお届けします!

パナソニック ホールディングス株式会社
プロダクト解析センター 新規事業開発室 室長
難波 嘉彦 Namba Yoshihiko

1987年、松下電工株式会社(現パナソニック ホールディングス株式会社)入社。松下電工英国研究室での駐在経験を経たのち、大阪大学大学院の非常勤講師も務める。2011年には大阪大学大学院より工学博士学位を取得し、2014年にパナソニック株式会社(現パナソニック ホールディングス株式会社)・プロダクト解析センター所長に就任。2024年8月より現職となる。

PanasonicとE-agentの密接な関わり

───:まず、お二人が出会ったキッカケから教えていただけますか?

大橋:実は難波さんとは非常に長い付き合いで、パナソニックという企業も私の人生に深く関わっています。思い返せば、色々なドラマがありましたね。全部お話ししたいのは山々なんですが、そうなると一日がかりでも足りなさそうです。笑

難波:そうですね。笑

大橋:私は以前パナソニックグループの人材会社に在籍していたんですが、同時期に難波さんもプロダクト解析センターの所長としてご活躍されていました。私のいた会社ではグループ内の組織にも人材ソリューションを提供していたので、私にとってプロダクト解析センターはお客様だったわけです。

その流れでご縁をいただいてから、難波さんには本当に色々なことを教えていただきました。当時の私のミッションはパナソニックという会社をより深く理解し、その中で新しい価値を提供すること。難波さんはその技術力の中核を担うエキスパートでしたから、私はいつも目をキラキラさせながら知識を吸収させていただいてたんですよね。その頃の学びは今の事業経営にも活きていて、まさに私にとって恩師のような存在です。

難波:そこまで言っていただくと照れくさいですが…笑 もちろんお互いさまで、私も大橋さんには当時から色々とお世話になってますね。特に、常に適切な人材を提案いただいたということです。人材に対する私からの要求は「人間力のある方」でした。もちろん、現場からの要求は、「即戦力となる人材」でしたが、仕事は一人でやるのではなく、チーム力で成し遂げることが多いため、大橋さんには、その両側面を考慮した人材を提案し続けていただいてました。その結果、大橋さんから提案いただいたスタッフの大半の方は、いまでも、弊社内で活躍してくださっています。そして、今もこうして現在進行形で関わらせていただいていることを、本当に嬉しく思っています。

推定BHQ計測ツール導入の件に関しても、大橋さんとは再会すべくして再会したという感じでしたね。彼がパナソニックグループを飛び出してしばらくした頃、私に一本の連絡をくれたのがキッカケでした。「今、新しいことやってるんです」と言うので詳しく話を聞くと、ITエンジニア向けの人材プラットフォームを作って会社を立ち上げたと。しかも自社のバリューとして掲げるほど健康経営への意識が高い。そこで私はピンと来たんです。というのも、まさにその頃プロダクト解析センターではBHQ改善サービスの社会実装に着手し始めたタイミング。E-agent株式会社は、そのプロジェクトに伴走してくれる最高のパートナーになり得るのでは、と。

大橋:そんなご縁で推定BHQ計測ツールの導入提案をいただいて…そこからは早かったですね。笑 我々E-agentにとっては願ってもないお話だったので、断る理由がありませんでした。エンジニアが己のパフォーマンスを最大限に発揮するためには、自身の健康状態の把握と改善行動が不可欠ですから。

───:E-agentの指針と難波さんの研究が、最高のタイミングでかみ合ったんですね。

大橋:まさにそうですね。ちなみに私がパナソニックという会社の持つ精神性やビジョンに魅せられた最初のキッカケは、難波さんとご一緒していた時代よりも前にさかのぼります。だいぶ昔話にはなるんですが、音楽の仕事をする傍らパナソニックの工場でお世話になっていた時期があるんですよ。プリンターの製造現場で、フリーランスをやっていたんです。当然、そこで会社の考え方など色々学ぶわけなんですが…私は事あるごとに共感していて。ああ、肌に合うなと思ったんですね。幸之助さんのパナソニックミュージアムにも、しょっちゅう足を運んでいました。

その経験があった上でトップ技術者である難波さんと出会っているわけですから、それはもうどっぷり影響受けちゃいますよね。笑 私のビジネスにおける “軸”は、パナソニックとの出会い、そして難波さんとの出会いによって形作られていると言っても過言ではありません。推定BHQ計測ツールのお話をいただいた時も、E-agentとして実現していきたい私のビジョンとがっちりかみ合う音がしたのを覚えていますね。

開発当時の思い

───:難波さんにお伺いしたいのですが、BHQ計測技術の開発にあたってはどんな思いで取り組まれていたのでしょうか?

難波:これが一番答えたかった質問かもしれません。笑 ただその前に、まずはプロダクト解析センターがどんな組織かをあらためてお伝えする必要がありますね。

我々を含むパナソニック ホールディングスの技術部門は、10年~30年先の未来を見据えた研究開発を主なミッションとしています。中でもプロダクト解析センターは、主にグループ全社で活用いただけるような共通基盤技術の開発に重きを置く組織。解析・評価技術に特化したスキルを持つ専門家たちが集まっており、人間工学・化学・物理・電気・バイオ・機械といった分野を中心に扱ってきました。

そんな我々がBHQの計測技術開発に着手したのには、近年パナソニックグループ全体で起こっている「松下幸之助の言葉を思い出し、今一度初心に立ち返ろう」というムーブメントが強く影響しています。その言葉というのが「物心一如」、すなわち「物と心が共に豊かな理想の社会の実現」。数十年前に松下幸之助が発表した一文です。

これを今の現代社会に当てはめてみると、確かに「物」はこれ以上ないくらい豊かになっている。でも「心」は…なかなか難しいですよね。どんどんギスギスした世の中になっているようにさえ感じます。そこで着目したのが、人の心を司る「脳」です。脳の健康状態を計測・改善できるようなサービスが普及すれば、人々の心は豊かになっていくのではないかと。これはパナソニックグループに属する者の使命感というだけではなく、私自身の純粋な思いです。

おわりに

───:お二人とも、今回は貴重なお時間をありがとうございました。

大橋:いえ、こちらこそ。久しぶりに難波さんと思い出話にも花を咲かせることができて、非常に楽しかったです。

難波:私もです。過去の色々なシーンを思い出して、懐かしくなりましたね。有意義な時間をありがとうございました。

───:とんでもないです!ただ、1点だけお願いがありまして…次回もBHQの記事を執筆してもよろしいでしょうか?他にも色々なお話をいただいたので、まだまだ書きたいことがたくさんありまして…笑

難波:もちろんお願いします!多くの方に興味を持っていただきたいテーマなので。

大橋:私も大賛成です。一連の記事をきっかけに、ITエンジニアを始めとしたビジネスパーソンの健康意識がどんどん変わっていくといいですね。今後とも、どうぞよろしくお願いします!

───:嬉しいです!あらためて、本日はありがとうございました!

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