【ヘルスケア最前線vol.1 – 知識編】健康のカギは、『脳』にアリ。
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技術の習得、スキルの向上、円滑なコミュニケーションの構築…ITエンジニアに求められる要素は数あれど、それらはすべて「健康」を前提に成り立っていると言っても過言ではないでしょう。もちろんこれはITエンジニアに限らず、すべての会社、すべてのビジネスパーソンに当てはまります。適切な健康管理ができない環境下で、健全な自己研鑽を積むことはできません。

経済産業省においても、「健康経営」の推進は日本の未来を担う取り組みのひとつとして重要視されています。健康経営とは、「従業員等の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に実践する(※)」こと。E-agentではこれを自社の永続的なミッションと捉え、とあるキーワードに着目しました。それが『BHQ』―すなわち“脳”の健康状態なのです。
そして私たちが福利厚生として導入しているのが、『推定BHQ計測』ツール。今回の記事では、BHQの基礎知識から計測技術のメカニズム・使用方法に至るまで詳しく解説していきます!
※経済産業省HPより抜粋
https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/healthcare/kenko_keiei.html
BHQの重要性とは
BHQは「Brain Healthcare Quotient」の略称で、脳のMRI画像を解析して算出される健康管理指標のこと。いわば「数値で表せる脳の健康状態」で、2018年3月に国際標準化(ITU-T H.861.1)されている正式な基準です。
このBHQに着目し研究開発を行なっているのが、私たちE-agentともゆかりのあるパナソニック ホールディングス株式会社・プロダクト解析センター(以下、プロダクト解析センター) 難波室長。難波様曰く、企業の業績と従業員の幸福(ウェルビーイング)における相関関係にはBHQが深く関わっているとのこと。

BHQ国際標準化の立役者である京都大学・山川義徳教授の研究では、BHQの高さが働き甲斐や幸福感・意欲などのポジティブ感情と関連していること、また疲労とストレスがBHQの低下に関連していることも明らかになりました。つまり…ビジネスパーソンが常に健全な労働を実現するためには、年齢と共に低下するBHQを常に測定し自身の状態をきちんと把握することが理想的と言えるのです。
推定BHQ計測技術の開発

とはいえ、BHQを測定するために必要なのはMRI。1回の検査でも高額な費用がかかりますし、手軽に健康チェック…というわけには中々いきません。そんな状況を打開すべく、プロダクト解析センター様によって開発されたのが『推定BHQ計測技術』です。
推定BHQ計測技術は、人の「表情」から脳の健康状態を導出する新技術。その技術は計測ツール化されており、モニターに映った喜怒哀驚の表情を真似るだけで、短時間かつ手軽に推定BHQの計測結果を確認することができます。また脳全体の健康状態・BHQ値だけでなく、「認知制御」「モニタリング」「社会性」という3つの部分的な脳の働きに関しても推定が可能。適切な行動選択・状況察知・他社理解といった社会生活に欠かせない能力が、今の自分にどれだけ備わっているかを数値で確かめることができるのです。

この推定BHQ計測ツールにはスタンドモニター型・デスクモニター型の他にWebブラウザやスマホアプリ版もあり、場所を選ばす実施できるのも大きな強み。この開発により、脳の健康測定が人々の生活の一部として習慣化していくことが期待されています。
企業や自治体への導入・活用

もちろん、BHQは「測定」がゴールではありません。自身の健康状態を把握し、「行動変容」へと繋げることが何よりも大切です。プロダクト解析センター様では計測ツールの導入推奨のみにとどまらず、測定結果に応じた改善アクションの提案を企業や自治体に幅広く実施。【健康管理・運動・社会生活・食事・睡眠休息・学習・環境】に分類される行動指針に基づき、具体的なプランニングまでサポートしています。
ちなみに私たちE-agent株式会社では、2024年のリリースからいち早く福利厚生として活用しており、社員や契約エンジニアは無料で測定を行なうことができます。当社は健康経営のパイオニアとして、今後もプロダクト解析センター様と連携しながらBHQのよりよい活用方法を模索していく予定。全社員が、そして全てのエンジニアがこの先ずっと健やかであるために…「健康を、最優先に。」を自社のバリューに掲げる企業としての使命を、E-agentは全うします。
次回は「対談編」、お楽しみに!
今回の記事では、脳の健康と推定BHQと測定機に関する「知識編」をお送りしました!次回はE-agent代表・大橋と、パナソニックホールディングス株式会社・プロダクト解析センター所長の難波室長をゲストに招いてお送りする「対談編」。推定BHQ測定ツール開発の背景や当時の思い、お二人が知り合ったキッカケなど…ここでしか聞けないお話をたくさんお届けする予定です。ヘルスケアに対する当社の熱い思いをお伝えするのは、まだまだこれから。次回もどうぞお楽しみに!