【大“個人”の時代到来?】2025年エンジニア転職トレンド解説
- Trend & Vision

DX推進やAI技術の台頭により、エンジニアの需要は長い間高止まりを続けていました。エンジニアファーストという言葉が馴染み深くなってきたのも、IT人材優遇の時代背景が関係しています。しかし近年、“2025年の崖”を筆頭にさまざまな問題が表出し、エンジニア=生涯安泰というバブルが崩壊しつつあるのです。

そこで今回は取締役社長の大橋にインタビューを実施し、2025年のエンジニア転職トレンドについて話を聞いてきました。キャリアアップのために転職を考えている方も、プロジェクトが一区切りしてエージェントの乗り換えを検討しているフリーランスの方も、この記事を参考に“損をしない選択”をしてください。
技術と人材の臨界点を迎える2025年の崖とは?

企業DX化を推進する上で立ちはだかる、既存システムのブラックボックス化や、レガシーシステムを更改できる人材不足などの煩雑な問題。それらを2025年までに解消できない場合、最大12兆円の損失が発生するという予想が“2025年の崖”です。
出典元:経済産業省『DXレポート』/2018年
https://www.meti.go.jp/shingikai/mono_info_service/digital_transformation/pdf/20180907_01.pdf
技術継承の火が途絶えてしまう、エンジニアの賃金格差が拡大するなどの憶測が飛び交う中、実際にこうした情勢はエンジニアにどのような課題をもたらすのでしょうか。
点ではなく俯瞰的に業界を見渡す

大橋:2025年の崖はIT業界が内包する問題の単なるひとつであり、私たちはもっとマクロな視点で業界の今後を見通す必要があると考えています。例えば自動車業界では大手メーカー再編のニュースが大きな話題を呼びました。かつて車を持っていること自体がステータスだった時代は、デザイン性やブランド的価値が重視されていましたよね。
しかし最近は電動化や自動化など機能的価値に注目が集まり、今後はサイバーセキュリティ強化やシステム統合の需要が高まる見込み。大手メーカーの再編・協業も、そうした時代の大転換の流れが背景にあるのです。
IT技術は世の中の産業やサービスと密接に絡み合い、時代の変遷とともに在り方が変化するもの。2025年の崖というのは、そうした変化にエンジニアがどう向き合うかという問いかけであり、その答えは非常にシンプル。自分が変わるか、変わらないか。ただそれだけです。
スキルよりマインドを重視

―――:時代のニーズに合わせるというのは、どのようなスキルが求められると思いますか?
大橋:これまではプロジェクトありきでスキルフルなエンジニアが優遇されていましたが、今後はエンジニアの“事業貢献度”がより重視されると予想しています。「SESやフリーランスの業務領域を逸脱している」と考える方も多いのではないでしょうか。エンジニアが提供できる最大の事業貢献とは、自律心を持つこと。つまりマインドセットの問題なのです。顧客との約束を守ること、自身で考えて最善を選べること…自走して信頼を積み重ねることが事業貢献へとつながります。
―――:海外ではエンジニアの出社要請が再び復活しつつありますが、そうした企業のニーズに応えることも事業貢献につながるのでしょうか?
大橋:実際に国内でもハイブリッドワークを希望する企業は増加傾向にあります。しかし蓋を開けてみれば、「エンジニアが出社しないこと」が問題なのではなく、その背景にあるコミュニケーションの齟齬や企業文化が根づかないことが問題だった…というケースがほとんど。E-agentは企業の本質的な課題を解決することで、エンジニアが希望する人生の実現に伴走しています。
時代は“大企業”から“大個人”へ

―――:2025年のITトレンドを踏まえて、今後どのような時代が到来すると予想していますか?
大橋:大企業のDX化やITベンチャーバブルが活発化した21世紀の第一四半期を終え、これからは企業に依存しない“個”のエンジニアが活躍する時代になると考えています。E-agentは個の力で生き抜くエンジニアがより一層輝けるように支えたいという想いから誕生しました。すべてのエンジニアが自律して活躍する、“大個人”の時代がすぐそこまで迫っている。創業時に思い描いた世界が実現されると思うとわくわくしますね。
―――:なるほど。個の力が求められる時代に、エンジニアは具体的にどのように行動すればいいのでしょうか?
大橋:まずは自身のスキルを棚卸するところから始めるといいかもしれません。現在地を正しく把握することで、習得すべきスキルや目指すべき方向性を定めることができます。私はエンジニアのキャリアコンサルティングも担当していますが、優秀な方ほど常にキャッチアップを怠りません。
また、先ほど企業の本質的な課題を抽出するという話をしましたが、これはエンジニアに対しても同じです。希望がはっきりしていない場合はヒアリングを通じて、ご本人も気づいていない魅力や働き方の希望を見つけるサポートを実施します。人生100年時代の荒波を生き抜くためには、最良のパートナーを見つけることが成功の近道かもしれません。